こうも常軌逸すとは正直驚き
とある珍妙で不可思議話を、お聞かせする。くだらぬ妄想と笑われるが、我が夫の携帯電話が怪しい。っつーかアレ、旦那を喰らうてます。
意味?言葉通り。日夜縛りつけ安眠を与えず、生気を奪う悪魔。スマホからガラケーへ切り替えた。戻して急に愛着が湧く気が…、片時も離さん、まるで愛人の様。愛人?ひょっとして不倫?
だから怪しいと。そう告げれば、彼は「これがそんな魔性を持つ訳無かろうに」と。
寄り添って数十年、未だに分からぬ部分があるけど、手放さぬ理由は?そりゃ必要な物だと理解可能、其処まで不可思議か?
故に破壊、勿論嫌われ覚悟でやらねば。刀を持ち切りかかったが、すんでの所を取り押さえられ…。
「理解出来ん。マトモな女子と思い婚約したが、こうも常軌逸すとは」無言でうつむく。やはり別居こそ最善かね。